2025/02/07
リノベーションするための中古住宅購入にあたり、多くの方が「築年数」を重要な判断基準としています。
よくいわれるのは「築20年の中古物件が狙い目」という説。築年数が20年前後の物件には、たしかに購入しやすい理由がそろっています。
しかしながら、築年数だけでは中古物件の良しあしは決められません。
今回は、中古リノベーションの築年数について解説します。
築20年前後の中古住宅が注目される理由や、築年数以外に確認すべき注意点についてもお伝えします。
リノベーションにあたって中古住宅購入を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
中古住宅を購入する際、築年数は大きな指標のひとつです。
築年数を確認すべき大きな理由として、建築基準法が変遷してきたことが挙げられます。
中古住宅は、建てられた年代によって構造基準が大きく異なるのです。
1981年に「新耐震基準」が施工されるまで、構造への法的な規制はほとんどありません。2000年には「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」が施行され、耐震基準も再見直しされると同時に、耐震等級などの住宅性能表示制度が始まりました。
しかし、この「2000年基準」でも大地震による被害が確認されたことから、2022年には新しい耐震等級が増え、来たる2025年には新築の耐震等級4適応が義務化される予定です。
このように大地震や自然災害を教訓に、日本の建築基準は見直しを繰り返しています。
新築にとっては恩恵が大きいものの、すでに建てられた中古住宅は法改正のたびに改修されているわけではありません。
古い基準で建てられた建物が、そのまま売買されているケースが大半です。
また、当然ながら、築年数が古くなるほど、構造が劣化している可能性も高まります。
中古住宅を購入してリノベーションを考えているなら、その先長く住み続けるためにも、築年数ははじめに確認すべきです。
中古住宅を購入するなら「築20年前後」が狙い目と言われています。たしかに、築20年前後の物件には、リノベーションして住むのに適している条件がいくつかあります。
ここでは、3つの理由を紹介します。
築20年前後の物件は、現行の建築基準を満たしている割合が多くなります。
現行の新耐震基準・品確法による住宅性能表示制度は、2000年基準と呼ばれます。
築年数では、築24年以下の建物が範囲内です。
既存住宅を住宅ローンで取得した場合、1982年以降に建築された住宅であれば、住宅ローン控除の対象となります。
年末のローン残高の0.7%が10年間所得税から控除されます。
2000年以降に建設され、省エネ基準適合すると証明できる住宅の場合には、控除対象の上限額が3000万円まで設定されている点にも注目です。
築20年以内の建物なら、性能評価証明があるかチェックするようにしましょう。
一般的に、新築物件は築5年程度で一度価格が下落し、その後築15年頃まではほぼ横ばいで推移します。築16年以降になると再び下落傾向に入るため、築20年前後の物件は、価格面でもお得に購入できる可能性が高まります。
こうした傾向から、築20年前後の中古住宅は、安全性や価格面でのバランスが取れた「狙い目」の物件といわれています。
築年数が重要なチェック項目であることは間違いないものの、数字だけでなく、それ以外にも確認すべき注意点があります。
築年数に加え、以下の3点も心得ておきましょう。
同じ築20年でも、木造と鉄骨造の建物では状況が大きく異なります。
一般に、木造の方が構造の寿命が短く、鉄骨造や鉄筋コンクリート造のマンションなどの方が耐久性に優れています。
たとえば、法定耐用年数から考えても木造は22年、鉄骨造は34年、鉄筋コンクリート造なら47年。残っている資産価値にも大きな差があることがわかるでしょう。
築20年を超える物件でも、鉄骨造やコンクリート造なら、その先長く住み続けられる可能性もあります。
法基準のうえでは、耐震性能と同時に省エネ性能も見直しが繰り返されています。
先に紹介した1981年の法改正の前は、戸建てでもマンションでも、断熱材のほとんどない無断熱のケースが多いです。
その点、2000年(築24年以下)の建物は、現行の省エネ基準を満たしている可能性が高まります。
ただし、築年数はあくまで目安。法整備に準じた省エネ性能で建てられているとは限りません。また、劣化によって断熱材が機能していないケースも考えられます。
個々の物件に対する断熱性能を確認することが大切です。
建物の状態は、築年数だけでなく、これまでのメンテナンス状況や使用状況によっても大きく異なります。
適切な修繕・改修が行われて丁寧に住まれていた築古物件は、築浅物件よりも良好な状態を保っている場合も。
たとえば、築20年ほどの中古戸建なら、屋根や外壁はメンテナンス時期を迎えています。外装メンテナンスがおこなわれておらず、ひび割れなどの劣化が起こっていれば、構造内部への雨漏りやシロアリ被害の発生も考えられます。
築年数に加え、必要なメンテナンスがおこなわれているかもチェックしましょう。
このように、築年数の数字だけでなく、1件1件の物件ごとの状況を確認することが大切です。
これらの注意点を押さえ、耐久性の高い構造・断熱性能・メンテナンス履歴が安心できれば、築25年やそれ以上の物件でも、長く住み続けられる可能性も十分にありますよ。
購入する中古住宅の築年数を考えると、多くの方が「あとどのくらい住めるのか」という疑問を感じるよう。
適切なメンテナンスとリノベーションをおこなえば、築20年の住宅でもその先50年以上住み続けることが可能です。
鉄骨造やコンクリート造の建物なら、さらに強い耐久性も期待できます。
木造住宅の寿命は一般に30年と言われることがありますが、これは30年程度で売却や建て替えが行われることが多いためです。実際には、木造住宅の構造部分(土台や柱など)は、適切に管理されていれば80〜100年の耐久性があります。
築20年の木造住宅であれば、あと60年以上住み続けられる可能性があるのです。
ただし、構造部分が本来の耐久性を発揮できるよう、部位ごとの劣化時期に合わせたメンテナンスが欠かせません。
また、リノベーションの機会に、築年数以上の劣化が生じていないか、長く住み続けるための省エネ性能を備えているかを見直すことも重要です。
購入した中古住宅にどのくらい住み続けられるかについては、こちらの記事で紹介しています。
◆参考:『築30年の中古住宅、リノベーションして何年住める?』
狙い目と言われる築20年の住宅でも、長く住み続けるには、適切なメンテナンスが欠かせません。
また、2000年基準の施工後であっても、基準に対応して新築されていなかったり、管理を怠って平均以上に劣化が進んでいたりする物件もあるでしょう。
中古住宅の品質が気になる場合は、性能向上リノベーションのご検討をおすすめします。
性能向上リノベーションとは、間取りやインテリアの改修だけでなく、住宅の性能を向上させるリノベーションを行うことです。
耐震補強によって、地震災害のリスクを軽減させられます。また断熱改修では、断熱材の追加や窓の断熱性能向上により、快適性と省エネ性を高めます。
ただ住み続けるだけでなく、安心して快適に住み続けられることに、リノベーションの価値があります。
リノベーションを前提とした中古住宅購入では、築20年前後が狙い目といわれます。
この年数の住宅は、現行の建築基準を満たし、価格も手頃になっている傾向があるため。
しかし、築年数だけで判断するのではなく、構造や断熱性能、これまでのメンテナンス状況なども総合的に評価することが重要です。
適切なリノベーションと定期的なメンテナンスを行えば、築20年の中古住宅でも、その先も長く住み続けることが可能です。
特に、耐震性能の向上や断熱改修などの性能向上リノベーションは、住宅の寿命を大幅に延ばす効果があります。
わたしたちトウケンホームでは、住宅の価値を向上させ、安心して快適に住むための「品質向上リノベーション」を提案・施工しています。
中古住宅購入では、築年数を一つの目安としつつ、ご家族のライフスタイルに合った物件を選びましょう。
高品質な中古住宅リノベーションをご検討なら、ぜひ私たちにお声かけください。
本当に「狙い目」の物件かどうかも含め、総合的にリノベーションのご相談を承ります。