2024/02/22
住宅のリノベーション工事では、活用できる補助金制度があります。
各庁が連携した統括サイトからワンストップ申請が可能な「住宅省エネキャンペーン」は、昨年からほぼそのまま継続が発表されました。
2024年、住宅性能を向上させるリノベーションは、追い風が吹いていると呼べるでしょう。
この記事では
などを解説しています。
2024年にリノベーション工事をご検討の方は、ぜひ参考にしてください。
『住宅省エネ2024キャンペーン』とは、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、住宅省エネ化を支援する4省庁の補助事業の総称です。
4省庁の補助事業とは、
①子育てエコホーム支援事業
②先進的窓リノベ2024事業
③給湯省エネ2024事業
④賃貸集合給湯省エネ2024事業
の4つです。
このうち、個人の住宅リノベーションでは、①②③の3つの制度が対象です。
3つの制度は併用して申請ができるので、それぞれの最大額を活用できれば
・一般世帯:最大250万円
・子育て・若者夫婦世帯:最大280万円
が補助金を受け取れます。
次の章から、3つの補助金制度について詳しく解説します。
『子育てエコホーム支援事業』は、エネルギー価格などの物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯が、高い省エネ性能の新築住宅を取得したり、省エネリノベーションしたりすることを支援し、2050年のカーボンニュートラルの実現を図る事業。
2023年の『こどもエコすまい支援事業』から、名称が変更されたものです。
「子育て」と名称につきますが、若者世帯でなくとも全世帯が対象です。補助対象の工事も幅広いので、活用しやすい制度といえます。
『子育てエコホーム支援事業』では、エコホーム支援事業者と契約し対象となるリフォーム工事をする場合に、リフォーム箇所に応じた補助を受けることができます。
さらに、下記の条件を満たす子育て世帯・若者夫婦世帯はさらに補助額が拡大されます。
申請時点において夫婦であり令和5年4月1日時点でいずれかが39歳以下(すなわち昭和58(1983)年4月2日以降出生)である世帯。
ただし、令和6年3月末までに工事着手する場合、令和4年4月1日時点でいずれかが39歳以下(昭和57(1982)年4月2日以降出生)の世帯。
子育て世帯 |
申請時点において子を有する世帯。 子とは、令和5年4月1日時点で18歳未満。 ただし、令和6年3月末までに工事着手する場合、令和4年4月1日時点で18歳未満。※平成16(2004)年4月1日以降出生 |
---|---|
若者夫婦世帯 |
申請時点において夫婦であり、令和5年4月1日時点でいずれかが39歳 以下(すなわち、昭和58(1983)年4月2日以降出生)である世帯。 ただし、令和6年3月末までに工事着手する場合におい ては、令和4年4月1日時点でいずれかが39歳以下(昭和57(1982)年4月2日以降出生)の世帯。 |
つまり
・平成17(2005)年4月2日以降に生まれた18歳以下の子がいる
・夫婦のどちらかが昭和58(1983)年4月2日以降に生まれた39歳以下である
のいずれかの条件を満たしていれば、補助額の上限が引き上げられます。
上記の条件を満たさない世帯でも、1戸あたり上限20万円の補助額が設定されています。
『子育てエコホーム支援事業』では、子育て世帯・若者夫婦世帯かどうかに加え
・長期優良住宅の認定(増築・改築)を受けるかどうか
・既存住宅を購入したリフォームかどうか
によって、補助額の上限が定められています。
世帯の属性 | 既存住宅購入・長期優良住宅の有無 | 1戸あたりの上限補助額 |
---|---|---|
子育て世帯または 若者夫婦世帯 |
既存住宅購入 | 60万円 |
長期優良住宅 | 45万円 | |
上記以外のリフォーム | 30万円 | |
その他の世帯 | 長期優良住宅 | 30万円 |
上記以外のリフォーム | 20万円 |
つまり、子育て世帯・若者夫婦世帯で、既存住宅を購入してリノベーションする場合は、1戸あたり最大60万円の補助を受けられます。
ただし、以下の条件を満たしていることも注意しましょう。
・売買契約額が100万円(税込)以上であること。
・令和5年11月2日以降に売買契約を締結したものに限る。
・自ら居住することを目的に購入する住宅について、売買契約締結から3ヶ月以内にリフォームの請負契約を締結する場合に限る。
・自ら居住する住宅でリフォーム工事を行う場合に限る。
対象となる工事は、以下の8項目に分類されています。
★①開口部の断熱改修
★②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
★③エコ住宅設備の設置
△④子育て対応改修
△⑤防災性向上改修
△⑥バリアフリー改修
△⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
△⑧リフォーム瑕疵保険等への加入
注意点は
④~⑧については、①~③のいずれかと同時に行う場合のみ補助の対象となること。
申請する補助額の合計が5万円未満の場合、補助の対象にならないこと。
の2点です。
つまり、★のついた項目を5万円以上行なうことが、補助を受けられる条件になります。
対象となる工事と、それに応じた補助額が細かく定められています。
公式サイトにも条件等の詳細が掲載されていますが、リノベーション事業者に問い合わせて補助額を計算できます。
『先進的窓リノベ2024事業』は、断熱窓への改修を促進し、既存住宅の省エネ化を促すことで家庭からのCO2排出削減を目指す事業です。
室内の温度に一番大きく影響しているといわれるのが、窓からの熱交換です。
窓の断熱性能を高められると、冷暖房費用を抑えられる省エネ住宅にリノベーションができます。
住宅の建て方/設置する窓の性能と大きさ/設置方法に応じて、一戸当たり最大200万円が補助される大きな補助制度です。
さらに、昨年度よりも一カ所あたりのガラス一枚当たりの補助額が拡充されています。
3つの補助制度のなかでも、最も問い合わせが多いのもこの窓リノベ事業。
補助額が埋まってしまうのも早い傾向があるので、お早めの検討をおすすめします。
補助の対象となるのは、窓やガラス、ドアなどの建具を、断熱性能の高い建具に交換する断熱リフォーム工事です。
具体的には、以下の4種の工事が対象です。
なお、外窓交換とドア交換にはそれぞれ「はつり工法」と「カバー工法」の2種類の断熱改修が可能ですが、いずれも窓リノベ事業の対象です。
『先進的窓リノベ2024事業』の補助額は、一戸あたり最小5万円、最大額が200万円です。
窓1カ所づつ補助額が決められており、合計額が補助されます。
補助額は、住宅の建て方/窓の性能区分(熱貫流率)/窓のサイズによって、細かく決められています。
例えば、ガラス交換工事のガラス一枚当たりの補助額は以下の通りです。
ガラスのサイズ[面積] | ||||
窓の性能区分 【熱貫流率】 |
大(L) |
中(M) |
小(S) |
極小(SS) |
P(SS) |
55,000円 | 34,000円 | 11,000円 | 11,000円 |
S |
36,000円 | 24,000円 | 7,000円 | 7,000円 |
A |
30,000円 | 19,000円 | 5,000円 | 5,000円 |
このような表から、補助単価×施工箇所数を計算し、補助額の総額を算出します。
なお、総額が5万円以下の場合は、申請できません。
上限が200万円と覚えていただければ大丈夫です。大きな補助が活用できるので、高断熱な住まいへのリノベーションを前向きにご検討ください。
『給湯省エネ2024事業』は、家庭のエネルギー消費で大きな割合を占める給湯分野について、高効率な給湯器の導入を支援することで「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」の達成を目的とする事業です。
ご家庭の省エネといえば、「まずは電力」というイメージですが、合わせて給湯のエネルギー消費も意外と大きいのです。
環境省の公表データによると、給湯は家庭のエネルギー消費量の4分の1程度を占めているとされています。
昨年も同様の制度がありましたが、それぞれの給湯設備への補助額は拡大されています。
特に今年度は、省エネ性能の高い給湯器に補助額が追加され、エネルギー効率の高い給湯器を選びやすくなっています。
『給湯省エネ2024事業』の対象となるのは、下記のいずれかの給湯器を新築住宅もしくは既存住宅に設置する工事です。
導入する高効率給湯器に応じて定額が補助されます。
補助額は、給湯器のタイプ別に1台あたりの定額で決められています。
さらに、それぞれさらに高い性能要件を満たす場合、その性能に応じた加算額も補助が受けられます。
それぞれの金額は下記の表の通りです。
設置する給湯器 | 補助額 (基本額) |
補助額 (加算額) |
||
加算要件 | いずれか | 両方 | ||
ヒートポンプ給湯器 |
8万円/台 | A | 2万円/台 | 5万円/台 |
B | 4万円/台 | |||
電気ヒートポンプ・ |
10万円/台 | A | 3万円/台 | 5万円/台 |
B | 3万円/台 | |||
家庭用燃料電池 |
18万円/台 | C | 2万円/台 |
※A~Cそれぞれの加算条件
A:インターネットに接続可能な機種で、翌日の天気予報や日射量予報に連動することで、昼間の時間帯に沸き上げをシフトする機能を有するもの。
B:補助要件下限の機種と比べて、5%以上CO2排出量が少ないもの。
C:ネットワークに接続可能な機種で、気象情報と連動することで、停電が予想される場合に、稼働を停止しない機能を有するもの。
つまり、加算条件を満たす高性能な機種であれば、最大額で
エコキュートなら13万円/台
エコジョーズなら15万円/台
エネファームなら20万円/台
の補助を受けられます。
給湯エネルギーを見直しできると、日々の光熱費も抑えられます。
補助制度をきっかけに、高効率な給湯設備の設置を考えてみませんか。
3つの補助申請について、注意すべき点が2つあります。
[1]申請期限
申請の対象となるのは、2023年11月2日から申請までに着工した工事です。
工事の着工は遅くとも2024年12月31日ですが、各事業の予算枠が埋まり次第終了となります。
昨年実績では、年末を待たず上限枠に達して終了した制度もあります。
お早めのご検討がおすすめです。
[2]申請者は工事を行う登録事業者
住宅省エネ2024キャンペーンの3つの補助事業の申請者は、工事を行う登録事業者です。工事を発注する施主様(ユーザー様)ではありません。
補助金を利用してリノベーション工事をご希望の場合は、依頼する業者が登録事業者かどうかを確認するようにしましょう。
なお、トウケンホームは3つの事業すべてを取り扱いできる登録業者です。
各事業の詳細についても丁寧に説明いたします。お気軽にご相談くださいませ。
各事業の補助額を、以下の表にまとめています。
対象事業 | 補助対象 | 補助額 |
---|---|---|
子育てエコホーム支援事業 | 対象に該当する エコリフォーム工事 |
【子育て/若者夫婦世帯】
|
先進的窓リノベ事業 |
高性能断熱窓への交換工事
|
工事内容に応じて定額補助 補助単価×施工箇所数の総額 5万円〜200万円/戸 |
給湯省エネ事業 |
高効率給湯器の設置工事
|
ヒートポンプ給湯器(エコキュート) |
なお、詳細な条件がありますので、各事業の公式サイトをご確認いただくか、リノベーション事業者にお問い合わせください。
いずれの事業も、効率の良いエネルギー社会の実現を目的としており、高性能な住宅への改修に対して手厚い補助が用意されています。
言い換えると、高い性能の住宅に生まれ変わらせるリノベーション工事が大きく後押しされています。
リノベーションと聞くとおしゃれなお部屋に造り替えることと思われがちですが、家の性能を向上させることも新しい価値を吹き込む「リノベーション」です。
補助金制度をきっかけに、快適な住まいを実現する性能向上リノベーションをぜひ検討してみてください。
★トウケンホームの『性能向上リノベ』の取り組みはこちら
私たちトウケンホームは『住宅省エネ2024キャンペーン』の3事業すべてを取り扱いできる登録業者です。
補助制度の詳細が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。