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家と暮らし

2024/12/23

中古住宅の断熱等級はどう調べる?築年数や性能基準による違いを解説
中古住宅の断熱等級はどう調べる?築年数や性能基準による違いを解説 写真

2025年の4月から、あらたに着工するすべての新築住宅は断熱等級4を満たさなくてはならなくなります。建築基準法や建築物省エネ法の見直しが行われるためです。

それにともなってか、中古住宅でも断熱等級を把握したうえで購入を希望される方が増えています。

しかしながら、中古住宅の場合、販売時点で断熱等級が明らかにされている物件は多くありません。

特に築年数が進んでいる物件ほど、断熱性能がはっきりわからないケースが大半と言えるでしょう。

今回は、中古住宅の断熱等級の調べ方について解説します。

断熱等級とはどんな基準か、中古住宅の断熱等級が心配な場合はどうすれば良いのか、についても触れています。

これから中古住宅を購入してリノベーションをお考えなら、ぜひ読んでいただきたい内容です。

もくじ

  1. 断熱等級とは
    1. 断熱等級はUA値・ηAC値によって決まる
    2. 地域区分によって必要な断熱レベルが異なる
    3. 2025年から断熱等級4が義務化
  2. 中古住宅の断熱等級を調べる方法
    1. 住宅性能評価を確認する
    2. 建てられた年代の性能を確認する
  3. 断熱等級17はそれぞれどう違う?
  4. 中古住宅の断熱性能はどう調べる?
  5. 中古住宅の断熱等級を上げるには?
  6. まとめ

断熱等級とは

断熱等級は、住宅の断熱性能を評価する7段階の指標です。

2000年に施行された「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」に基づき、住宅性能表示制度の一部として定められました。

等級1から7までの7つのレベルで、数字が大きいほど断熱性能が高いことを表しています。

建築時に各基準値を満たしていることを証明する「住宅性能評価書」を作成する場合は、断熱等級が明記されます。

省エネ性能を客観的に証明できる基準として、ハウスメーカー選びで比較される方も多いでしょう。

断熱等級はUA値・ηAC値によって決まる

断熱等級は、住宅のUA値とηAC(イータエーシー)値によって判断されます。

  • UA値:外皮平均熱貫流率、住宅の外皮(屋根・壁・床)が外部の熱をどのくらい遮断しているかを表す
  • ηAC値:平均日射熱取得率、冷房期にどれくらい太陽の日射熱が住宅内に入るかを表す

どちらも、値が小さいほど性能が高いことを意味します。

まずは、断熱等級の概要について、大まかに解説します。

地域区分によって必要な断熱レベルが異なる

断熱等級は、日本の気候条件に応じた8つの地域区分ごとに基準が設定されています。

たとえば、寒冷地である北海道などが属する1・2地域と、東京都が属する6地域では、同じ断熱等級4を証明するのに、クリアすべきUA値とηAC値が異なります。

暖房負荷が大きい寒冷地では、より低いUA値とηAC値が基準になります。

それぞれの地域区分で、満たすべきUA値とηAC(イータエーシー)値の基準値が定められている仕組みです。

参考:省エネ地域区分について「国土交通省 ラベル項目の解説 断熱性能」https://www.mlit.go.jp/shoene-label/insulation.html

2025年から断熱等級4が義務化

2025年4月から新築住宅で断熱等級4以上の性能が義務化されることが、話題となっています。

断熱等級4は、1999年に制定された次世代省エネ基準に相当するもの。2022年に等級5~7が新たに設けられるまで、最高等級だった指標です。すでに現代の一般的な新築住宅の性能基準となっています。

言い換えると、1999年以前に建てられた中古住宅は、これから建てられる新築住宅の最低基準にも満たない断熱性能である可能性が高いのです。

数十年の築年数の違いで、室内の温熱環境がまったく異なることになります。

事実、現在の住宅ストックの9割ほどが、現行の省エネ基準を満たさないと言われています。

新築の断熱等級4義務化を前に、中古住宅をリノベーションするケースでも、断熱性能のチェックは欠かせないステップになると考えます。

参考:「家選びの基準かわります」国土交通省 https://www.mlit.go.jp/shoene-jutaku/

中古住宅の断熱等級を調べる方法

新築住宅では設計段階で断熱等級が決まりますが、中古住宅の場合は購入時にはっきりわかるとは限りません。

中古住宅の断熱等級を調べる2つの主な方法を紹介します。

住宅性能評価を確認する

宅性能評価書は、住宅の性能を客観的に評価した公的な書類です。

住宅性能評価には、新築時の「建設住宅性能評価書」と中古住宅用の「既存住宅性能評価書」があります。

築年数の浅い物件では、将来の売却を見越して、建築時に「建設住宅性能評価書」を作成しているケースがあります。

また、新築時に性能評価を受けていない中古住宅でも、売却にあたって売主が「既存住宅性能評価」をおこなっている可能性があります。

中古住宅の耐震等級を確認するには、まず売主や不動産会社に評価書があるかどうかを確認しましょう。

ただし、既存住宅の性能評価書の発行は、まだまだ進んでいないのが現実です。評価を受けるには費用と時間がかかることから、特に古い年代の住宅では評価書がない場合が多いでしょう。

建てられた年代の性能を確認する

住宅が建てられた年代から、おおよその断熱等級を推測することができます。

建築基準法と省エネ法の改定の推移から、建築された年代がどの断熱基準だったかをさかのぼって確認する方法です。

主な基準値の改定年代から、住宅が建てられた年代から推測できる断熱レベルを表にしました。

等級 建てられた年代 断熱レベル 備考
断熱等級1 1980年以前 旧省エネ基準未満 ほとんど無断熱
断熱等級2 1980年〜 旧省エネ基準
断熱等級3 1992年〜 新省エネ基準
断熱等級4 1999年〜 次世代省エネ基準 2025年から新築で義務化
断熱等級5 2022年4月〜 ZEH水準 2030年以降新築で義務化予定
断熱等級6 2022年10月〜 HEAT20 G2レベル これからの基準に
断熱等級7 2022年10月〜 HEAT20 G3レベル これからの基準に

1980年以前は、住宅に断熱材はほとんど使われていませんでした。

そのため、築年数45年以上の建物なら、断熱等級は最低の1相当。密閉性も低く、劣化から隙間風が通っている可能性もあります。

同様に考えていくと、築33年45年未満の住宅なら断熱等級2相当、築26~32年の住宅なら、断熱等級3相当と推測できます。

1999年以降は、次世代省エネ基準がすでに制定された年代です。これからの最低基準となる断熱等級4相当の性能を満たしている可能性もあります。

ただし、これらはあくまで目安です。

制定よりも古い年代に建てられていても、リフォームによって断熱性能が向上している物件もあるでしょう。

反対に、当時の省エネ基準を満たさないまま建てられていたり、劣化により本来の断熱性能を発揮できていなかったりする恐れもあります。

改修をしてみないとわからない場合もあることから、中古住宅の断熱性能を明確に調べるには、物件ごとの調査が必要といえます。

断熱等級17はそれぞれどう違う?

では、断熱等級が異なると、どのくらいの差が生まれるのでしょう。

以下の表で、各断熱等級のUA値の基準値を見てみましょう。

画像引用:性能向上リノベの会「断熱を考える」より

たとえば、断熱等級6レベルの住まいでは、断熱等級4の住まいよりも、暖冷房にかかる一次エネルギー消費量を概ね30%削減できると試算されています。

東京エリアが該当する6地域では、1992年から1999年(築26~33年)の時期に建てられた断熱等級3のUA値基準は1.54。1999年以降の断熱等級4のUA値基準では0.87です。

等級4と6の差以上に、数値の開きがあることがわかります。

断熱等級だけでなく、住宅の広さや断熱方法・窓の性能などによっても、寒さ・暑さの感じ方が異なるため、一概には差を表現できません。

それでも、断熱性能の差により、光熱費などのランニングコストが大きく変わることは、疑う余地がないでしょう。

中古住宅の断熱性能はどう調べる?

より正確な断熱性能を知りたい場合は、先に紹介した住宅性能評価を受けてみる方法のほか、専門家によるホームインスペクション(住宅診断)を受ける方法があります。

ホームインスペクションは、断熱等級がいくつかを判断するのではなく、

「既存住宅がどの程度の断熱性能か」

「性能を上げるにはどのような工事が必要か」

「この先どのくらい住み続けられ、どのようなメンテナンスが必要か」

などを、専門家からアドバイスを受けられるものです。

また、まずは自分で確認する方法として、簡単なセルフチェックをしてみるのもおすすめです。

たとえば、「性能向上リノベの会(YKKAP)」では、既存住宅の断熱性能・耐震性能をそれぞれ10づつのチェック項目で考えられるよう、メディアサイトに掲載しています。

詳しくは、以下のコラムをご覧ください。

WEBマガジン:中古住宅の断熱&耐震は大丈夫?性能セルフチェックポイントを紹介

専門家に相談するには、費用や時間も必要になります。

断熱性能を調べたい中古住宅があるなら、セルフチェック項目をみて、相談するかどうかの検討材料にしてくださいね。

中古住宅の断熱等級を上げるには?

さいごに、リノベーションをご検討の中古住宅が断熱性能の低い建物だった場合について。

というのも、中古住宅を購入してリノベーションし、自分らしいマイホームにしたいと考える方が増えてきています。

もしも、好みの中古物件に出会えたものの断熱性能に不安が見つかったら、リノベーション自体をあきらめる前に、「性能向上リノベーション」を知ってください。

性能向上リノベーションとは、間取りの変更や内外装の改修だけでなく、断熱性能と耐震性能もアップさせる改修を行うリノベーションのことです。

たとえば、外壁の内側から、断熱パネルや吹き付け断熱を施工したり、窓を入れ替えるなどして、住宅の断熱性・気密性をアップさせられます。

わたしたちトウケンホームは、「性能向上リノベの会(YKKAP)」に加盟しています。

性能向上リノベの会の独自の基準

性能向上リノベの会は独自の仕組みと基準を定めています。

それに基づいた改修を行うことで、これからの新築の基準となる断熱等級4、あるいはそれ以上の断熱性能にグレードアップさせることも可能です。

さらにトウケンホームでは、ご希望のリノベーション予算に寄り添う、「選べる性能向上リノベーション」も提案しています。

詳細は、当社ホームページ内の専用ページをご覧ください。

◆参考:トウケンホームの「性能向上リノベーション」https://tokenhome.co.jp/performance_renova

まとめ

購入した中古住宅をリノベーションして、自分らしい住まいを実現する人は、年々増えています。

ただし、中古住宅は新築住宅と異なり、はっきりした断熱性能がわからない建物が少なくありません。

「性能がわからない」「安心できない」という理由で、中古住宅リノベーションを諦めるのは勿体ないです。

住宅の断熱の正しい知識に向き合い、調査や性能向上改修を行うことで、自分らしいリノベーションは実現できます。

実際に、リノベーション専門店であるトウケンホームでは、断熱性能や耐震性能を向上させる改修工事を施工してきた実績があります。

中古住宅の耐震性能が気になるなら、私たちにお気軽にご相談ください。

おしゃれで自分らしい内外装を叶えるのはもちろん、安心して住み続けられるようグレードアップさせるリノベーションを提案します。

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