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家と暮らし

2024/01/29

〜ヒートショックへの備え〜 室内の温度差を解消するリノベーション
〜ヒートショックへの備え〜 室内の温度差を解消するリノベーション 写真

古い日本の家屋は、室内の温度差が大きく、住む人の健康を害している現実があります。

そのひとつが、温かいお風呂場から寒い脱衣室に出たときの温度差で、身体に負担が掛かるヒートショック。

実は、交通事故よりも多くの方の命を奪っているのをご存じですか?

今回は、室内の温度差に潜む危険と、断熱リノベーションにできることをお伝えします。

もくじ

1.室内の温度差とヒートショック

ヒートショックとは、温かい部屋から寒い部屋へ移動するときなどの急激な温度変化によって、血圧が大きく上下に変動し、脳卒中や心筋梗塞といった重篤な症状を引き起こすことです。

はじめに、ヒートショックのリスクをあらわすデータをいくつか紹介します。

浴室の事故は冬場に多い

ヒートショックが特に起こりやすいのが、入浴の時間です。

浴槽から立ち上がったときや、脱衣室に移動するときに血圧の乱高下が起きやすいため、入浴時の事故の大きな要因を占めているといわれます。

実際に、浴槽で溺れて亡くなる事故は、11月から4月の冬場に集中しています。

高齢者のヒートショック発生月別死亡者数のグラフ

▲表:消費者庁ニュースリリース(令和2年11月19日)より作成

テータによると、浴室で溺れてしまったことによる死亡事故のうち、発生件数のわかるものだけで考えても、大半が冬の期間に起きています。

8月や9月は100件前後の数字であるのに対し、ピークの1月は900件以上。

冬場は浴室や脱衣所が冷え込みやすいうえ、浴槽の湯温を熱くしてしまう傾向があることが原因と考えられます。

交通事故より恐ろしいヒートショック

このヒートショックで亡くなる方の数は、交通死亡事故の2倍と推測されています。

同資料によると、高齢者の「不慮の溺死及び溺水」による死亡者数のうち、特に「家や居住施設の浴槽における溺水」による死亡者数は、平成23年以降「交通事故」による死亡者数より多くなっています。(厚生労働省「人口動態調査」より)

令和元年の、家及び居住施設の浴槽における死亡者数は 4900人、交通事故の死亡者数は2150人です。

室内の温度差による事故によって、驚くほど多くの方が生活を失っているのです。

さらに、死亡に至る重篤な事故件数だけでおよそ5000件ある事実から、実際にはより多くの浴室での事故が起こっているはずと、同庁が注意喚起しています。

▲参考:『冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください! 』消費者庁公式

2.室温と健康の関係

室内の温度が健康に与える影響は、他にもあります。

寒い家が体に及ぼす影響には、次のような症状が挙げられます。

・高血圧

・アレルギー、喘息

・肌のかゆみ

・冷え性

例えば、室温の低い家に住む人ほど、起きた時の血圧が高くなる傾向が確認されています。

また、断熱が低いことによって生じる結露も疾患の引き金です。肌の乾燥やかゆみの防止のために加湿しても、室内の温度差がある家では、窓周りで空気が冷やされて結露が発生します。結露で生じた水分はカビを誘発し、アレルギーやぜんそくの原因になります。

さらに、寒い部屋に耐えて過ごしていると免疫力も低下するので、感染症などの病気にかかりやすくなってしまいます。

室内の温度を温かく保つことと、温度差をなくして均一にすることは、健康に過ごすために大切なのです。

3.健康に過ごせる室温は

人が健康的に過ごすために、推奨されている室温基準があります。

2018年にWHO(世界保健機関)がガイドラインを発表し、室温18℃以上を維持することを強く勧告しています。

ヨーロッパの推奨室温基準

実は、室内の温度環境と健康との関係は、ヨーロッパなどでは日本よりもより早く問題視されており、さまざまな法令も設けられています。

英国保険省の推奨室温の資料

例えば、イギリスでは、寒さによる健康リスクを2010年に「保険省年次報告書」にまとめ、住宅の最低室温基準が決められました。

全室18℃の最低推奨温度基準を満たさない賃貸住宅は改修や解体をしなければ運営できない、厳しい基準です。

日本の推奨室温基準

一方、日本の住宅では、最低室温が10°C以下になる家も珍しくありません。

2019年の調査では、日本の家の

居間の平均室温は16.7℃

脱衣所の平均室温は12.8℃

というデータがあります。

平均値で下回っているということは、築年数の経過した住まいではさらに低い温度であることは明らかです。上記の指標でみても、健康リスクがある室温とわかります。

▲参考:『住まいと健康に関するガイドライン』 国土交通省

紹介した国土交通省のガイドラインでも、イギリスと同様の基準室温が推奨されています。

しかし、日本の場合、断熱基準は何度も改定されているものの、他国のように既存住宅の断熱性能を高める義務はありません。

そのため、既存住宅のおよそ3分の2が、1980年よりも前の断熱基準、もしくは無断熱と言われています。

日本の住宅の断熱化率

国土交通省の調査を基にした推計によると、現行の断熱基準の断熱等級4をクリアしている住宅は、日本の住宅全体のおよそ13%しかありません。

関連コラム:『断熱リノベーションの価値 ~日本の家の3分の2は夏暑く冬寒い~』

私たちが健康を維持するためには、日本の居住環境の現実を知り、温かく過ごす方法を知ることが大切なのです。

4.温度差を解消するには

ヒートショックなどの健康被害を回避するには、

・室温を上げること

・部屋間の温度差をなくすこと

の2点が重要です。

既存の住まいでできる工夫を、いくつかご紹介します。

(1)窓周りを断熱する

熱の出入りが最も大きいのは 窓周りと言われます。

既存の住宅の場合、熱の伝わりが早いアルミ製のサッシに1枚のガラス(シングルガラス)が一般的です。断熱性が低いため、暖房で部屋を温めても窓から外気の冷たさを室内に伝えてしまいます。

このため、窓周りの断熱性を高められると、暖房の効率を上げ高い室温を維持できます。

具体的には、

・内窓を設置する

・断熱できる窓用フィルムをつける

・カーテンの代わりにハニカムスクリーンをつける

などといった対処法が有効です。

(2)廊下や脱衣室も暖房する

部屋を移動する時に温度差が生じないよう、普段過ごすリビングだけでなく、廊下や脱衣室も暖房をかけることも方法の一つです。

特に入浴時の温度差による事故が多いため、 入浴前に浴室や脱衣室を温めておくとリスク回避になります。

なお、 ヒートショックを防ぐには、お風呂のお湯の温度を高くしすぎないことが大切です。

(3)足元を温める

床上1m付近の温度よりも、足元付近の温度の方が、血圧への影響が大きいという報告があります。

カーペットやスリッパ、暖かい靴下などで、足元は暖かくするようにしましょう。 

また、エアコンから出る温かい空気は、天井付近に上昇しとどまってしまう特徴があります。足元から温められる暖房器具や、サーキュレーターなどの空気を循環させる機器を活用することをおすすめします。

5.断熱リノベーションのすすめ

もうひとつ、健康的な室温の家にする方法が、リノベーションです。

私たちの考える断熱リノベーションについて、お伝えします。

建物の価値を高めるリノベーション

リノベーションと聞くと、若い世代がおしゃれな部屋に改装するイメージかもしれません。しかし、リノベーションの本来の意味は、“建物の価値をアップデートする”こと。

既存の住まいを、ライフスタイルや年齢の変化に合わせ、健康に過ごせる建物に改良するのもリノベーションです。

前述のように室内の温熱環境の課題が顕著になってきたことで、いま注目されているのが「断熱リノベーション」です。

断熱リノベーションは、壁の中に断熱材を入れたり、断熱性の高い窓に入れ替えたりして、夏は涼しく冬は暖かい住まいに生まれ変わらせる改装を意味します。

現行の断熱基準にリノベーションを行うことで、比べ物にならないくらい温かく温度差のない建物になりますよ。

断熱リノベーションの効果

リノベーション前後のシミュレーション

上記のグラフは、築45年の建物を断熱等級6に断熱リノベーションしたシミュレーション結果を表しています。

22℃設定の暖房を午前0時に切ったときの翌朝の5時から6時の推定室温は、リノベーション前の家では8℃。しかし、リノベーション後の家では16.4℃に保たれる推定結果が出ています。

さらに、冷暖房の効果が高まり光熱費が削減できることも、調査結果で明らかになっています。

断熱リノベーションには、当然ながら費用も必要です。

しかし、健康を損なって通院したり、高い光熱費を払い続けるよりも、価値のある暮らしを実現できると考えています。

6.まとめ

住まいの温度環境が原因で起こってしまうヒートショックでは、交通死亡事故の2倍以上の方が大切な命を失っています。

日本の既存住宅は温熱環境が整っていない建物が多く、ヒートショック以外にもさまざまな健康疾患の引き金になっています。

家族が健康に暮らせる住まいにするためには、日本の居住環境の現実を知り、温かく温度差なく過ごす方法を知ることが大切です。

私たちトウケンホームは、リノベーション専門店として「断熱リノベーション」をおすすめしています。

建物の断熱性能を見直し、長く健康的に暮らせる家に生まれ変わらせます。

断熱性能に加え、“耐震性能”の向上も掛け合わせた改修が「性能向上 リノベーション」です。

トウケンホームは、既存住宅の性能と真剣に向き合う「性能向上リノベの会(YKKAP)」に加盟しています。

性能向上リノベの会が定めた仕組みと一歩進んだ基準で改修工事することで、安心・安全な家を提案しています。

▲トウケンホームの「性能向上 リノベーション」の取り組みはこちら

 現在のお住まいで、室内の温度差やヒートショックのリスクにお悩みなら、ぜひ真剣に 「断熱リノベーション」について考えてみませんか。

私たちが、 ご家族の健康を守る温かいお住まいを提案します。

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