2024/07/15
無垢のフローリングは、天然木の魅力を活かした床材。
自然の温もりと美しい木目が、住まいに上質な雰囲気をもたらします。
今回は、無垢の床材について、基本的な特徴から、人気の樹種、お手入れ方法などを解説します。
リノベーションでフローリングの選び方に迷っている方は、ヒントにしてくださいね。
無垢の床材とは、一本の木から切り出した板を使用したフローリング材のことです。
というのも、無垢ではない一般的な床材は合板フローリングと呼ばれ、薄い板を何枚も重ねて接着し、表面だけ木目を見せています。
一方、無垢フローリングは木材の表面から裏面まで同じ木です。
天然の風合いや質感を楽しめることから、リノベーションでも多く採用されています。
はじめに、無垢の床材のメリットとデメリットを紹介します。
無垢の床材を利用する主なメリットには、以下が挙げられます。
無垢の床材の最大のメリットは、天然素材ならではの本物の風合いと快適性です。
切り出した部分によって木目や節が異なり、表情豊かな仕上がりが魅力です。
合板のフローリングよりも踏み心地が柔らかく、心地よい肌ざわりになります。熱伝導率が低いことから、真冬のヒヤッとする感触も和らぎます。
さらに、調湿性にも長けているため、夏場は室内の湿度を下げ冬場は湿気を放出して、快適な空気環境に近づける効果もあります。
傷がついたとしても、補修して美しさを取り戻しやすいことも特徴です。
一方で、無垢の床材にはデメリットもあります。
無垢の床材の最大のデメリットは、初期コストの高さと管理の手間です。
天然素材を使用しているため、一般的な加工したフローリング材に比べて価格が高くなります。
また、湿気の吸収・放出をくり返す特性は、同時に変形が起きやすいことを意味します。たとえば、いつも日光の当たるところだけが特に乾燥し、床材と床材との間の隙間が広がることがあります。
水分を吸い込みやすいので、飲み物をこぼしてそのままにしていると、すぐにシミができてしまいます。
撥水コーティングを定期的に行えば対策できますが、メンテナンス自体がご面倒な方には不向きかもしれません。
経年変化は、日当たりが良い場所ほど早く色が変わっていきます。味わいと捉えることもできるものの、均一な経年変化にならないと心得ておく必要があるでしょう。
無垢床材には、切り出す木の種類によってさまざまな特徴があります。
選び方のポイントは、それぞれの樹種に合うインテリアのほか、価格帯や、お手入れの難易度などを総合的に判断することです。
ここでは、人気の高い8種類の無垢床材について、その特徴や魅力をご紹介します。
オークはナラの木の木材です。
色味は明るい黄褐色で、どんなインテリアにも調和しやすい樹種といえるでしょう。カジュアルなカフェのような雰囲気のお部屋には特に似合います。
特徴は、明るい色調とくっきりとした木目です。硬さがあって傷がつきにくく、耐久性に優れている点も長所といえます。
様々なインテリアスタイルを楽しみたい方におすすめです。
ブラックウォールナットはクルミの木の木材です。
色味は濃い茶色で、落ち着いた雰囲気やモダンなインテリアのお部屋に似合います。
特徴は、深みと艶のある色あいから、高級感を演出できる点です。
また、経年変化を楽しめる樹種でもあります。施工したばかりは色が薄く、時が経つにつれ深みのある茶色に変化します。
注意点は日光による色の変化が起こりやすいところ。色ムラが気になる方は、カーテンなどで日光調整すると良いでしょう。
品格高い空間や、落ち着いた雰囲気を好む方におすすめです。
チークの特徴は、高級感のある褐色と独特の木目、そして優れた耐久性です。
色味は黄金色から褐色で、洗練された雰囲気を演出します。
伸縮率が小さいことや防虫効果から、ヴィンテージ家具にも多く使われている樹種です。
注意点は価格が高めな点。
ウォールナットと同様、経年変化を楽しめる樹種で、オークのように幅広いインテリアテイストを合わせやすい銘木です。
スギの特徴は、軽さと柔らかさ、そして独特の香りと優れた調湿性です。
色味は明るい黄色から薄い茶色で、和風の落ち着いた雰囲気のお部屋に似合います。
その柔らかさから、足ざわりが特に滑らかで気持ちいい樹種。
注意点は、柔らかいため傷つきやすいところです。
和風の空間を好む方や、湿気対策を重視する方、また予算を抑えたい方におすすめです。
アカシアの特徴は、独特の曲線的な木目と硬く丈夫な性質です。
色味は黄褐色から赤褐色まで幅広く、同じ木でも切り出す部分によって木目の差が大きい種。木目の濃淡差や、経年変化による深みを楽しめます。
長所は傷つきにくい点。ただし、湿度変化による収縮や膨張が比較的大きいと言えます。
特徴的な木目を活かしたナチュラルな空間や、個性的なインテリアを好む方におすすめです。
ヒノキの特徴は、独特の香りと優れた調湿性、抗菌性です。
色味は淡い黄色で、時間とともに飴色に変化していきます。独特の芳香のリラックス効果も良く知られている点です。
長所は軽くて耐久性が高い点です。ヒノキ風呂として使われていることからも分かる通り、耐水性に優れています。一方、短所はスギと同様に柔らかいため傷つきやすいこと。
和風の空間や、健康・衛生面を重視する方におすすめです。
カリンの特徴は、美しい木目と硬く重厚な性質です。
色味は赤褐色で、時間とともに色が濃くなり、艶が出てきます。
長所は硬さがあるので傷つきにくく、耐久性に優れている点です。ただし、比較的高価な木材なので、落ち着いた品格を演出したい空間にポイントで採用されることが多い印象。
高級感のあるお部屋にしたい方におすすめです。
クルミの特徴は、美しい木目と硬すぎず柔らかすぎない硬さです。
先に紹介したブラックウォールナットとは異なり、色味は明るく優しいベージュトーン。日当たりなどの影響による色の変化は比較的小さい樹種でもあります。
明るく穏やかな空間や、落ち着いた雰囲気を好む方におすすめです。
無垢床材は適切なお手入れを行うことで、長期間美しさを保てます。日常的なお手入れと定期的なメンテナンスについてご紹介します。
日常的なお手入れでポイントとなるのは、水の扱い方です。水拭きは最小限に抑え、必要な場合は固く絞った雑巾などで軽く拭くようにしてください。掃除機や空拭きは可能です。
水分がこぼれた際は、できる限り早めに拭き取りましょう。シミになるのを防ぎます。
定期的なメンテナンスとして、年に1~2回程度、専用のワックスやオイル塗装をおすすめしています。傷や水分に弱い表面を保護し、乾燥による収縮から守ります。
使用するワックスやオイルは、無垢材の種類やお好みに合わせて選びます。
たとえば、ウレタン塗装してある無垢床材には、ウレタンの塗装を重ねます。耐久性が高く、光沢がうまれます。
自然な風合いがお好きな場合は、オイル塗装も人気です。耐久性はウレタンに劣るので、よりこまめなメンテナンスが必要です。
無垢のフローリング材を採用したリノベーション実例を紹介しましょう。
ウォールナットの無垢床をリビング全面に採用した実例です。
ブラックレザーのダイニングチェアやガラスのローテブルといった、高級感のあるウォールナットがマッチしています。
水に弱い無垢の特性から、キッチンの足元のみ、フロアタイル床に切り替えています。
施工例の詳細は、こちらからもご覧ください。
こちらは、表情のあるヘリンボーン張りの無垢フローリング実例です。
無垢の床板は一枚一枚張っていくため、このような幾何学模様のような柄も実現できます。
ダークな色合いの樹種でも、カジュアルな印象になります
ナチュラルな無垢の床が、無機質な黒の建具カラーを引き立たせる、個性的な空間を演出しました。
施工例の詳細は、こちらからもご覧ください。
★相模原市南区 団地リノベーション カリフォルニアプロジェクト・シティスタイル
無垢床材は、自然の温もりと美しさを兼ね備えた魅力的な床材です。
肌触りの良さや経年変化による味わいの深まりなど、多くのメリットがあります。
一方で、無垢床材を長く美しく使い続けるためには、適切なお手入れが不可欠です。
無垢の床は、木の種類でお部屋の雰囲気ががらりと変わるだけでなく、価格、耐久性まで差が出てきます。それぞれの樹種の特性を知ってご選定ください。
トウケンホームでは、お好みのインテリアテイストや使い勝手から、お客様に最適な床材をアドバイスしています。
無垢の床はもちろん、さまざまなフローリング材の、特徴やメンテナンス方法をお伝えします。
リノベーションで床材選びに、迷われているなら、お気軽に私たちにお声かけください。