2024/07/26
大きな規模のリノベーション工事のためにローンを組んで資金調達するなら、リフォームローンだけでなく住宅ローンの活用法も知っておくことで、選択肢を広げられます。
たとえば、中古住宅の購入と同時にリノベーションするケースでは、リフォームローンでは物件購入資金が借入対象外となる金融機関もあり、住宅ローンが使いやすくなるのです。
この記事では、リノベーションで活用できる住宅ローンについて、リフォームローンとの違いや、どのようなケースで活用すべきかなどを解説しています。後半では、活用できる「住宅ローン控除」制度についてもお話します。
家をがらりと生まれ変わらせる大きなリノベーションを予定している方や、中古住宅を購入してリノベーションしたいと考えている方に、ぜひ知っていただきたい内容です。
リノベーションのためにローンを借りる方法には、リフォームローンと住宅ローンの2つの選択肢があります。
まず、2つの違いや使い分けについて解説します。
住宅ローンとリフォームローンには、いくつかの違いがあります。
ここでは、
[1]担保設定が必要かどうか
[2]物件購入費用を含められるかどうか
2点の大きな違いについて知っておきましょう。
住宅ローン | リフォームローン | |
担保設定 | 必要 | 不要 |
物件購入費用 | 含められる | 含められない |
住宅ローンは、一般的に、購入する住宅を担保として設定する必要があります。
金額が大きいため、万が一返済が滞った場合でも、金融機関が担保物件を処分して貸付金を回収できる仕組みです。
その分、住宅ローンはさまざまなローン商品のなかで最も金利が小さい借入方法です。
借入期間も長く設定でき、35年の長期ローンを組むことができます。
一方、リフォームローンは、担保設定が不要な無担保型が主流です。
リフォーム工事の費用は住宅購入に比べて少額であることが多いため、担保は設定しなくてもローンを組める仕組みになっています。
無担保型リフォームローンは、手続きが簡単で審査も優しいメリットがありますが、金利は住宅ローンより高く、借入期間も短いことは短所といえます。
なお、高額なリフォームの場合は、有担保型のリフォームローンを組める金融機関もあります。
もう一つの注意すべき違いは、リフォームローンには不動産の購入費用を含められないケースが多い点。
リフォームローンは、基本的に「増改築工事」にかかる費用のみを対象としています。
そのため、中古物件を購入してリノベーションする場合は、物件購入資金はリフォームローンに組み込めない可能性が高いです。
一方、住宅ローンは「住宅の取得」が目的。
購入物件の担保設定をすれば、まとまった額の借入が低金利で可能です。
ただし、金融機関の条件に、リフォーム一体型プランがあることを確認してください。
リフォームで住宅ローンを利用するにあたり、覚えておきたい条件を、以下にまとめました。
住宅ローンとリフォームローンの違いがわかるよう表にしています。
住宅ローン | リフォームローン[無担保型] | |
借入目的 | 住宅の購入、新築、建替え | リフォーム、増改築 |
返済期間 | 最長35年 | 10〜15年が一般的 |
借入金額 | 1億円まで | 1,500万円・2,000万円まで |
担保 | 必要 | 不要 |
手数料 |
融資手数料 |
融資手数料 |
審査の期間 | 1ヶ月程度 | 1〜2週間程度 |
金利 | 0.5%〜1.5% | 2%〜5% |
物件購入費を含められるか | 可 | 不可 |
※金融機関により、条件が異なります
住宅ローンとリフォームローンとで大きく条件が違うポイントは「借入額」「返済期間」「金利」の3点です。
リフォーム一体型の住宅ローンでは、次のような条件の金融機関が多いです。
一方、リフォーム専用ローンの場合は、次のような条件の金融機関が多いです。
気になる金利を比較すると、住宅ローンはリフォーム専用ローンより低く設定されています。
金利のパーセンテージを見比べても分かりにくいかもしれませんが、返済額を計算するとなかなか大きな差額になるものです。
たとえば、1000万円を10年で返済する場合の返済額を計算してみましょう。
リフォームローン(年利2.0%) |
住宅ローン(年利1.0%) |
92013円/月 総返済額:11,041,560円 |
87,604円/月 総返済額:10,512,480円 |
このように、毎月の返済額で3000円以上、総額は50万円程の差が開きます。
どちらを使うか迷う場合は、金融機関のローンシミュレーションを活用するのがおすすめです。
リフォームローンの詳細や返済計画をシミュレーションする方法は、下記のコラムで紹介しています。
『リフォームローンとは?特徴・住宅ローンとの使い分け・利用の流れを解説』
前述の通り、リフォームローンでは不動産購入資金を含められない金融機関が一般的です。そのため、中古住宅を購入してリノベーションを行う場合は、以下のいずれかの方法を選びます。
①リフォーム一体型住宅ローンを借りる
②住宅ローンとリフォームローンを別々に借りる
③物件購入費用は住宅ローン、リノベーション費用は自己資金で対応する
④物件購入費用は自己資金で対応、リノベーション費用はリフォームローンを借りる
物件購入とリノベーションどちらの費用もローンを組みたい場合は、①リフォーム一体型住宅ローンを選ぶ方が多いでしょう。
リフォームローンと住宅ローンを二重で組むのは手続きが煩雑になり、手数料負担もかかるためです。
この場合の注意点は、スピード感が求められる点。
住宅ローンの審査を申し込むにあたって、リノベーションの見積書も必要なケースが多いです。
そのため、物件の購入を決める前に、ある程度リノベーションの依頼先を絞り込んでおき、スムーズに見積もりをもらえるよう段取りしておきましょう。
他方、自己資金に余裕がある場合は、③か④のいずれかを選ぶのも賢明です。
「担保を設定してもいいから、大きな額を無理なく返済していきたい」という方は、住宅ローンが向いているでしょう。
「スムーズに借入手続きをして、短期間に返済したい」という方は、リフォームローンがおすすめです。
いずれの方法を選ぶにしても、返済計画をしっかり立てることが大切です。
リノベーションでローンを利用する際、一定の条件を満たせば、税制優遇を受けられる場合があります。
代表的なものが、住宅ローン控除(住宅ローン減税)です。
住宅ローン・リフォームローン、いずれを利用した場合にも適用されます。
年末のローン残高に控除率をかけた額が所得税から控除される仕組みです。
控除対象借入限度額 | 控除率 | 控除期間 | |
省エネ住宅 (認定住宅、ZEH、省エネ基準適合住宅) |
2000万円 | 0.7% | 10年間 |
その他の住宅 | 3000万円 | 0.7% | 10年間 |
ただし、ローンを組む全てのケースが控除を受けられるわけではありません。
利用には、以下の条件を満たす必要があります。
【対象となるリフォーム工事】
【その他の主な条件】
100万円以上の大規模なリノベーション工事をおこない、10年以上の返済期間でローンを組む場合は、ローン控除の対象になる可能性があると覚えておいてください。
お得な制度なので、該当の場合はぜひ活用しましょう。
トウケンホームが拠点を置く東京都町田市周辺でも、いくつもの地方銀行や信用金庫でリフォームローン・住宅ローンを利用できます。
金融機関によって、金利や特徴はさまざま。参考にいくつかの金融機関と特徴を紹介します。金融機関選びの参考にしてください
関東エリアの地方銀行。町田市内にも複数の支店があり、相模大野支店にはローンセンターもあります。ネットバンキングなど、来店不要でも使いやすいツールが充実し、リフォームローンの評価が高い金融機関です。
リフォームローンは無担保型で、審査が早く来店なしでも申し込みできるそう。
ただし、住宅ローンではリフォームに対応している旨の記載がないため、問い合わせが必要です。
2018年に誕生した東京の地方銀行。関東エリアに多くの支店があります。
web上で完結できるリフォームローン商品は、無担保で金利の低い変動金利を選べます。
また、住宅ローンでは、増改築に対応したプランもあります。リノベーションのスタイルに応じて、プランの使い分けができそうです。
町田市に本店を置く信用金庫。
住宅ローン商品、リフォームローン商品とも充実しています。リフォームローンでは、リフォームに伴うインテリア・家電等の購入も対象です。
また、住宅ローンでも、物件購入資金とリフォーム資金をまとめて申し込みできる旨が記載されています。
上記のいずれの金融機関も、ローンシミュレーションやオンライン相談を企業サイトから簡単にできます。気になる方はご活用ください。
金融機関選びに迷う場合は、あらかじめいくつかの窓口で相談してみましょう。
リノベーション資金にローンを組むことをご検討しているなら、リフォームローンと住宅ローンのそれぞれの特徴がわかっていると、行動しやすくなります。
リノベーションのスタイルによって、考えるべき選択肢も変わってきます。
たとえば、中古住宅を購入してリノベーションするケースなら、リフォームローンではなく住宅ローンで増改築も含めて相談できる金融機関を探す必要があります。
いまお住まいの家を大きくリノベーションするケースなら、担保を設定するかどうかなど、リフォームローンと住宅ローンで条件の比較をすると、希望に近い融資プランを選べるでしょう。
リノベーションのスタイルや、ご家族のライフスタイルに合わせて、ローンを選びましょう。
東京都町田市周辺でも、多くの金融機関がリフォーム向けの住宅ローン・リフォームローンを提供しています。
金利をはじめ、各金融機関の条件には違いがあります。いくつかを比較すると、ご自身に合う金融機関を選びやすくなりますよ。
ご検討に見積もりなどが必要な場合は、お気軽にトウケンホームにご相談ください。
購入を検討段階の物件でも、内覧や提案作成に対応いたします。
トウケンホームは、家族の理想のリノベーションの実現を応援しています。