2024/04/19
住まいをリノベーションするときは、窓の断熱性アップを同時におこなうことがおすすめです。
おしゃれな内装にアップグレードするだけでなく、住宅の熱効率を高める工事をおこなう『断熱リノベーション』。
築年数の進んだ住まいでも、快適に過ごせるように改修します。
なかでも、窓は断熱性能と住みやすさを向上できる重要なポイントです。
今回は、窓の断熱リノベーションについて
などを掘り下げて解説します。
断熱リノベーションとは、住宅の断熱性能を高めるための改修工事のことです。
窓や外壁、屋根など、建物外皮部分の断熱性能に関わる部位を入れ替えることで、快適な温熱環境に生まれ変わります。
なぜなら、リノベーションをおこなう住宅は、もともとの建物の断熱性能が低い場合が多いからです。
断熱リノベーションを行わないと、室内の温度環境は古い住宅のままになってしまいます。
外皮部分に断熱改修をおこなうと、快適な室内環境になり、結露やカビの発生を抑止できる健康的なメリットもあります。
断熱改修する分の費用は追加になるものの、光熱費の削減を叶えられます。
さらに今年度は国の補助制度も充実しており、費用負担の軽減も可能です。
断熱リノベーションについては、下記の記事でも詳しく紹介しています。
◆『断熱リノベーションの価値 ~日本の家の3分の2は夏暑く冬寒い~』
断熱リノベーションのなかでも、最も重要な対策の1つが窓の断熱化です。
大きく3つの理由があります。
補助金については、後半で詳しく解説します。
ここでは、2つの理由を詳しく知っておいてください。
最も大きな理由は、窓は熱の出入りが多い個所であるため。
窓は、壁よりも外気温を室内に伝えやすいのです。特に夏場は、窓から日射が入ることにより部屋が暑くなってしまいます。
窓から伝わる外気温の影響は、夏の暑さの74%、冬の寒さの50%というシミュレーションデータもあります。
外気の影響を大きく受ける窓だからこそ、断熱性能アップは大きな省エネ効果を発揮します。
もうひとつの窓の断熱リノベーションをすすめる理由は、この数十年で窓の技術が大きく向上しているためです。
リノベーションの多い築30年ほどの住宅は、アルミ製の単板ガラスが主流だった時代に建てられています。
この頃の窓は、ガラスが一枚しかなく、熱伝導率の高い金属の枠組みで構成され、外気の気温や日射が室内に伝わりやすいものでした。
しかし、現在主流となっているのは、樹脂製の窓枠と複層ガラスを組み合わせたLow-Eコーティングのタイプです。
3つの大きなポイントにより、断熱性能が向上しています。
これらの技術により、新しい窓は飛躍的に断熱性能が高まっています。
築30年以上経過した住宅が、窓のリノベーションによって大幅な省エネ効果が期待できる理由です。
窓の断熱リフォームには、主に3つの方法があります。
(1) 内窓の設置
(2) 窓の交換
(3) ガラスの交換
それぞれの方法と、そのメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
内窓とは、既存の窓の内側に設置する新しい窓のこと。
既存の窓枠に、新しく樹脂製の窓枠を設置します。
特に、マンションリノベーションの場合は、内窓設置の断熱リノベーションは有効です。
多くの場合、マンションは共用部分はリフォームできない制限があります。しかし、内窓リフォームは室内側で施工を行うため、管理組合の許可を取らなくとも施工できます。
内窓を設置する主なメリットは以下の通りです。
・既存の窓枠を活用できるため、工事費用が抑えられる
・空き巣対策にもなる
一方で、以下のようなデメリットもあります。
・室内の採光が若干低下する
・2重に窓を開閉する必要がある
・掃除の手間が増える
内窓の設置は、比較的簡単に断熱性能を向上できる手法です。
開閉やお掃除の手間は増えてしまうものの、多くのリノベーション現場で採用されています。
窓の交換工事は、既存の窓枠から断熱性能の高い窓に交換する方法です。
従来は、壁の一部を壊して既存の窓枠を外す必要があり、大規模な改修の際におこなわれていました。
最近は、既存の窓枠を残したまま内側に新しいサッシを取り付ける「カバー工法」が可能になり、工事期間も短く済むようになっています。
窓交換のメリットは以下の通りです。
・窓枠ごと断熱性能を高められる
・窓の開閉や操作性が良くなる
・窓の開閉方法も変えられることがある
一方で、窓交換は、一般的に内窓工事よりも高額になる点がデメリットです。
ガラスの交換は、既存の窓枠を活用したまま、ガラスのみを交換する方法です。
二重ガラスへやLow-Eガラスへ交換し、ガラスの断熱性能を高めます。
ガラスの交換のメリットは以下の通りです。
・工事費用が窓交換に比べて抑えられる
・窓枠を活用できるため、意匠性の変更が少ない
一方で、ガラスの交換には以下のデメリットがあります。
・窓全体の断熱性能の向上は限定的
・遮音性の改善は期待できない
ガラスの交換は、既存の窓枠を活用しながら、比較的低コストで断熱性能の向上が期待できる手法です。
ただし、窓全体の断熱性能の向上は限定的で、他の断熱対策とあわせて検討する必要があります。
3つの方法には、それぞれにメリットとデメリットがあります。
既存の住宅の状態や予算によって、検討しましょう。
窓の断熱リノベーションでは、大きく3つの効果が期待できます。
1.結露
2.防音
3.光熱費
ひとつずつ詳しくお伝えします。
最も実感しやすいのが、結露の発生を大幅に抑制できる点。
従来の単板ガラスの窓は結露が生じやすく、放置されるとカビ発生や壁が腐食する原因にもなりかねません。
さらに、菌の発生からアレルギーや健康被害の引き金になることも。
高断熱の窓では、窓ガラス表面の温度が上がり、窓周辺で室内の空気が急激に冷やされる現象が起きにくくなります。
そのため、室内を加湿していたとしても、結露はほとんど発生しません。
お掃除が格段に楽になり、お部屋の空気環境も向上します。
窓の交換によって、室内の防音性能も大幅に向上できます。
幹線道路沿いや飛行機の発着がある地域にお住まいの方にもおすすめです。
従来の窓は、単板ガラスで作られているため、外部の騒音が室内に伝わりやすくなっていました。
高断熱窓ではガラスの厚みが増すうえに空気層が設けられるため、外部の騒音の遮断効果が高まります。
窓を交換することで、より静かな室内を実現できるのです。
冬季の暖房費や夏季の冷房費の削減できる点は、最も喜ばれるポイントです。
従来の窓は、部屋の温度を維持するために大量のエネルギーを消費せざるを得ませんでした。
高断熱窓に変えると、冬は暖かさが逃げにくく、夏は外の暑さが侵入しにくくなります。
さらに、エアコンのイニシャルコストも抑えられます。
なぜなら、エアコンの燃費はここ50年間で大幅に向上しているものの、現在でも市場のエアコンの畳数設定は1964年の「無断熱住宅」想定のため。
例えば、断熱リノベーションをおこない、西面の窓の日射を遮蔽できると、畳数表示が数ランク小さいエアコンでもしっかり冷房できるという実験結果がでています。
断熱性能が高い住宅では、冷暖房費のランニングコストに加え、エアコン本体の購入コストも小さくできるのです。
窓の断熱リノベーションが注目されている理由のひとつが、補助制度の充実です。
特に、2024年度も継続が決定された「先進的窓リノベ2024事業」では、住宅の建て方/設置する窓の性能と大きさ/設置方法に応じて、一戸当たり最大200万円が補助されます。
さらに、昨年度よりも一カ所あたりの補助額が拡充されているのも嬉しいところ。
先に紹介した
(1) 内窓の設置
(2) 窓の交換
(3) ガラスの交換
のいずれの工事も、補助の対象となります。
「先進的窓リノベ2024事業」については、下記の記事でも詳しく紹介しています。
補助制度を活用できると知れば、窓リフォーム費用の心配も軽減できますよね。
昨年度は申し込み数が多く、予算上限に達しています。今年度も早めのご検討がおすすめです。
窓の断熱リノベーションは、断熱改修の中でもとりわけ重要なポイントです。
窓は、部屋の熱の出入りが大きく、改修による省エネ効果が大きい箇所。
従来の単板ガラスの窓から、現代のスタンダードであるの二重・Low-Eガラスの窓に変えることで、
といった大きなメリットが得られます。
さらに、補助金制度を活用すれば、費用面での不安も軽減できます。
「先進的窓リノベ2024事業」は、最大200万円の補助が受けられる魅力的な制度です。早めのご検討と申請が重要になります。
快適な住環境と光熱費の削減、さらに補助金の活用までできる、まさに一石三鳥の断熱窓のリノベーションをぜひ検討してみてください。
トウケンホームは、「先進的窓リノベ2024事業」の認定事業者です。
また、窓の改修を含めた断熱リノベーションを推奨し、現行基準を上回る強い性能への改修を提案しています。
詳細は、当社サイトの専門ページからもご覧ください。
お住まいの温熱環境にお悩みの場合は、ぜひ一度、ご相談ください。
実際に断熱リノベーションをおこなった施工例から、詳しいリノベーションについてご提案いたします。